★☆人魚の涙☆★
哀愁を漂わせるブルー。
指にふんわりと乗る、緩やかな曲線ライン。
メレダイヤの、繊細かつ幽けき煌めき。
ジュエリーは、心躍るワクワクするものが多いですが、中にはこんなにしっとりとした”静謐”を纏う作品もあるのです。
ひと目見たその瞬間から、そのジュエリーが持つ物語に飲み込まれてしまうような、そんな雄弁な雰囲気も合わせ持つリング。
「ブルートルマリン リング」のご紹介をいたします。
まずこの石をご覧になった方は、「ブルートルマリン」って、「インディゴライト」の事じゃないの？と不思議に思った方が多いのではないでしょうか。
実は宝石の色による鑑別はかなりデリケートなラインでその線引きがされていて、ちょっとの色の差で名前が違ってしまうのが現状です。
今回使用されている美しいブルーグリーンのトルマリンは、おそらくいわゆる「インディゴライト」と呼ばれるトルマリンに比べて、色が明るくグリーン味をかんでいる・・・といったところなのだと思います。
ただ、その色味の”明るさ”のおかげで、今回のこのトルマリンに関しては美しい「テリ」を楽しめる一品となることができました。
深い深い、深海を覗き込んだときのような静けさを伴う蒼。
このリングに憂いを感じるのは、きっとデザインのサイドのメレダイヤがはまっている部分から、このリング自体にアンデルセンの童話「人魚姫」の姿を思い出させるからかもしれません。
まるで、人魚姫の鱗を象ったような丁寧なメレ留め。
メレダイヤの一粒一粒も、顔の揃ったカットの良いものが使用されています。
その輝きは、楽しいことしか知らなかった人魚の時代の、美しい姿そのもの。
アンデルセンの童話「人魚姫」は、願いが叶わなかった人魚姫が最後、海の泡になって消えてしまうという、一見悲しい結末で終わる印象ですが、実はそうではないのです。
「泡」は、生まれては消え、消えては生まれてと際限なく繰り返される”生命の輪廻の象徴”のようなもの。
それは、私たちが常に希望を捨てず、何度でも立ち上がって未来へ向かって突き進んでいく「人生の歩み」に似た部分も感じます。
意外に、すべてのものって繋がっているのかもしれませんね。
そんな、想像をかき立てられる物語性の高いこの「ブルートルマリン リング」。
皆さんはこのリングに、どんな物語を映し出すのでしょうか・・・？
